水甕みづがめ)” の例文
湯呑が一つしかなかつたので、私はもう一度お勝手へ行つて、水甕みづがめからくんで呑みました。——二度お勝手へ行つたわけですが、水を
鶴吉は「お末の奴何んだつてあんなものを持出しやがつたんだらう」と思つて見まはすと、洗面所の側の水甕みづがめの上にそれがつてゐた。
お末の死 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
お勝手の水甕みづがめ——早支度をするので飯炊きの權三郎が前の晩からくみ込んで置いた水の中には、馬を三十匹もたふせるほどの恐ろしい毒が仕込んであつたのです。
「尤も、大概出て來ました。翌る日か、遲くて三日目くらゐには、誰かが見付けます。簪が火鉢の灰の中に突つ立つてゐたり、擂粉木すりこぎが佛壇の中にあつたり、徳利が水甕みづがめの中に沈んでゐたり」
平次はそれを尻目に、小半とき水甕みづがめに噛り付いて、調べて居りましたが