“死首”の読み方と例文
読み方割合
しにくび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まッ青になった市十郎の顔は、死首しにくびのように、ガクガクうごいた。閉じている眼から涙のすじを描き、兄の力に、何の抵抗もしなかった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いとま乞いをして寺を出るころには雨が降って来た。六三郎は雨の中を千日寺へも行った。父の死首しにくびはもうさらされていないでも、せめて墓詣りだけでもして行きたいと思ったのである。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いきなり、死首しにくびの歯から、孫兵衛がグッとそれを引ッたくったので、周馬は重さにのめりながら、すばやく、白眼はくがんにお十夜の手もとを見つけて
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)