武蔵坊むさしぼう)” の例文
帰りがけには、武蔵坊むさしぼうも、緋縅も、雁がねも、一所に床屋の店に見た。が、雁がねの臆面おくめんなく白粉を塗りつつ居たのは言うまでもなかろう。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのうちに比叡山ひえいざん西塔さいとう武蔵坊むさしぼうというおてらぼうさんがくなりますと、弁慶べんけい勝手かってにそこにはいりこんで、西塔さいとう武蔵坊弁慶むさしぼうべんけいのりました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
まず武蔵坊むさしぼう弁慶が先にあわてだし、つづいて屋台のはじにさし控えていた町内の者があわてだすといったぐあいで、はからずも騒ぎが大きくなりました。
武蔵坊むさしぼう申しけるは、君はこれより宮のこしへ渡らせおわしませ——
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)