此酒こいつ)” の例文
「何? 氷山だって! 有難い。おい、給仕スチュワート、一っ破片かけらぶっかいて来て呉れ。此酒こいつへ入れるんだ」
運命のSOS (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
唯僅かに菊正宗に雁行するものは、辛口セツクな最上の白葡萄酒の中に罕に存するのみである。されば、僕の『飲めればよし』の『飲めれば』は『此酒こいつは飲める』といふ意味の『飲めればよし』なのである。
書狼書豚 (新字旧仮名) / 辰野隆(著)