欧羅巴ヨオロッパ)” の例文
旧字:歐羅巴
今の大陸の欧羅巴ヨオロッパは死んだ欧羅巴だというので、生気のあった時代の遺蹟を慕って、「過去の岸に沿うて舟をる」というのです。
だから十三世紀以前には、少くとも人の視聴をそばだたしめる程度に、彼は欧羅巴ヨオロッパの地をさまよわなかったらしい。
さまよえる猶太人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
欧羅巴ヨオロッパの某大国の Corpsコオル diplomatiqueジプロマチック で鍛えて来た社交的伎倆ぎりょうたくましゅうして、或る夜一代の名士を華族会館の食堂に羅致らちしたのである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その夏、軽井沢では、急に切迫しだしたように見える欧羅巴ヨオロッパの危機のために、こんな山中に避暑に来ている外人たちの上にも何か只ならぬ気配が感ぜられ出していた。
木の十字架 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
主筆は多く欧羅巴ヨオロッパの文章を読んで居て、地方の新聞記者中には実に珍しいといわねばならぬ人である。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
欧羅巴ヨオロッパホテルです。宴会はホテルであるのです。一体おっ母さんは何をしていますか。
イブセンは初め諾威ノオルウェイの小さいイブセンであって、それが社会劇に手を着けてから、大きな欧羅巴ヨオロッパのイブセンになったというが、それが日本に伝わって来て、又ずっと小さいイブセンになりました。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)