櫃台デスク)” の例文
わたしはそれから日がな一日櫃台デスクの内側でこの仕事だけを勤めていたので、縮尻しくじりを仕出かすことのないだけ、それだけで単調で詰らなかった。
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)
年齢としごろは忘れたが、つまり薬屋の櫃台デスクがわたしの脊長せたけと同じ高さで、質屋のそれは、ほとんど倍増しの高さであった。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
空の色が黒くなって来た時、彼は酔眼朦朧すいがんもうろうとして、酒屋の門前に現われた。彼は櫃台デスクの側へ行って、腰の辺から伸した手に一杯握っていたのは銀と銅。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
わたしは一倍も高い櫃台デスクの外から著物きものかんざしを差出し、侮蔑さげすみの中に銭を受取り、今度は脊長けと同じ櫃台デスクの前へ行って、長わずらいの父のために薬を買った。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
魯鎮ろちんの酒場の構えは他所よそと違っていずれも皆、曲尺形かねじゃくがた大櫃台おおデスクを往来へ向けて据え、櫃台デスクの内側には絶えず湯を沸かしておき、燗酒がすぐでも間に合うようになっている。
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)
櫃台デスクの上にざらりと置き、「現金だぞ、酒を持って来い」と言った。見ると新しい袷を著て、腰の辺には大搭連おおどうらんがどっしりと重みを見せ、帯紐が下へさがって弓状ゆみなり弧線なりせんをなしている。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
孔乙己は俄に元気づき、爪先きで櫃台デスクはじきながら大きくうなずいて
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)