“機構（メカニズム）” の例文
「けれども、君の云う、機構（メカニズム）の一部だけは、判ったじゃないか」と検事が云うと、法水は鳥渡凄味のある微笑を泛べた。
後光殺人事件 (新字新仮名) ／ 小栗虫太郎(著)
けれどもたゞ事実を観察するだけではなくて、その事実の機構（メカニズム）を示すために、さま／″＼な現象を起して見る。そしてこの現象を吟味するのである。
エミイル・ゾラの文学方法論 (新字旧仮名) ／ 平林初之輔(著)
そして、この複雑な燃焼伝播の機構（メカニズム）も、どうにか解明された。
写真と暮らした三十年 (新字新仮名) ／ 中谷宇吉郎(著)
「機構（メカニズム）⁉」検事は熊城らしくない用語に微笑みかけたが、「ウン、確かにある」と頷いて
後光殺人事件 (新字新仮名) ／ 小栗虫太郎(著)
しかし比重が軽く積雪に対して擬色のある金属粉は、次第に散逸して行って、捜査官の視力の限度を越えてしまうと同時に、それで機構（メカニズム）のいっさいが消滅してしまうのですよ。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) ／ 小栗虫太郎(著)
見ると、無論それには、破天荒な機構（メカニズム）が潜んでいる事だと思うがね
後光殺人事件 (新字新仮名) ／ 小栗虫太郎(著)
花粉と密室、詩と機構（メカニズム）——。
地虫 (新字新仮名) ／ 小栗虫太郎(著)