樽拾たるひろ)” の例文
濱松町から神明一帶を訊いて廻つて、久吉が日頃手なづけて居るといふ、少し人間のお目出度い樽拾たるひろひの三次といふ少年を搜し當てると
いまごろはどこかで樽拾たるひろいか子守りでもやらかされてるんだろうさ、こっちは一人になって却ってさばさばしたけどね
おさん (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
これを拾った者は、お乞食こもさんでも樽拾たるひろいでも、一人だけ邸内へ許されて、仏前に焼香する資格があるのだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
浜松町から神明一帯を訊いて廻って、久吉が日頃手なずけているという、少し人間のおめでたい樽拾たるひろいの三次という少年を捜し当てると
「あの子は、町の遊び女に産ませた、私の本當の子だ、母に別れて、男の子に仕立てられ、樽拾たるひろひをしてゐるのを、私がさがし出して、知り合ひの子といふことにして、俵屋で使つたのだ」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)