横顔プロフィール)” の例文
この四角な部屋に並べられた壺や寝台や壁や横顔プロフィールや花々の静まった静物の線の中から、かすかな一条の歎声が洩れるとは。
花園の思想 (新字新仮名) / 横光利一(著)
ルーブル博物館を中心に肩を高低させている向う岸の建物の影は立昇る河霧にうっすり淡色の夕化粧を見せて空に美しい輪廓を際立たしている女の横顔プロフィールのようだ。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
鉄とベトンの設計図プロフィールに見いだす、その大きな横顔プロフィールを愛するのである。
近代美の研究 (新字新仮名) / 中井正一(著)
彼は妻を寝台の横からかしてみた。罪と罰とは何もなかった。彼女は処女を彼に与えた満足な結婚の夜の美しさを回想しているかのように、端整な青い線をその横顔プロフィールの上に浮べていた。
花園の思想 (新字新仮名) / 横光利一(著)