槍持やりもち)” の例文
まもなく楠屋敷の門を、陣笠に馬乗羽織、馬に乗った伊勢守のわきに清川八郎がついて、雪を蹴立てて走り出すと、従五位の槍の槍持やりもちがそれにおくれじと飛んで行く。
「あっ」と言いさま駈け出すのを見送って、忠利が「怪我をするなよ」と声をかけた。乙名おとな島徳右衛門、草履取ぞうりとり一人、槍持やりもち一人があとから続いた。主従四人である。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
槍持やりもち 旗持はたもち
小さな鶯 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
そのほか仲間ちゅうげん槍持やりもち挟箱担はさみばこかつぎ、馬方に至るまで、みな人足の肩を借りたり手を借りたりして、なかなか大業おおぎょうなことでありました。駒井能登守はそれと気がついて