槇子まきこ)” の例文
ある日、社交室の満座のなかで、槇子まきこがキャラコの由来を披露したので、みなが腹をかかえて笑い、思いつきのいいのに感服した。
キャラコさん:01 社交室 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あんた、槇子まきこさんと呼ばれると、ときどき、返事をしはぐるでしょう。……ははあ偽名をつかっているんだな、ってそう思っていたの。
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
秋作氏のそばには、ついこの夏、結婚したばかりの従姉いとこ槇子まきこしとやかに寄り添い、そのとなりに、長六閣下の白い毬栗頭どんぐりあたまが見えている。
槇子まきこ麻耶子まやこあずささんをはじめ五人のやんちゃなお嬢さんたち。秋作氏。久世くぜ氏。保羅ぽうるさんに礼奴れいぬさん。四人の科学者たち。それから、まだ続々。
次の日、晩餐ディナーの時間になっても、槇子まきこがなかなか帰って来ない。時計は、もう、七時をうちかけている。
キャラコさん:01 社交室 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
……それから、秋作さん、あなた、気の毒だけど、槇子まきこさんにつき添って行って、入用なもの、薬局で買って来て、ちょうだい。寝ていたら、かまわずたたき起こしなさい。
槇子まきこが、胸のうえに手を組みあわせ、グレース・ムーアのように気取りながら唄い終ると
キャラコさん:01 社交室 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ここまで書いたところで、槇子まきこさんから電話がかかって来ましたの。別にたいしたことではありません。お夕食のおまねきよ。でも、それは明日あすのことですから、休まずに続けますわ。
キャラコさん:08 月光曲 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
イヴォンヌさんにしろ、従姉妹いとこ槇子まきこ麻耶子まやこにしろ、日本女学園のやんちゃな五人組。……また、叔父の秋作や立上たてがみ氏。いま、ちょっとした過失の贖罪しょくざいをしているあの気の弱い佐伯氏。