染退しぶちやり)” の例文
中下方にあるのはそれだが、第二囘の五十戸は、今、同じ染退しぶちやり川添ひの碧蘂るべしべ村にある。兩村とも實に北海道の模範農村になつてゐる。
日高十勝の記憶 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
その翌朝、雨ををかして馬上、新冠にひかつぷの御料牧場を見に行く途中で、染退しぶちやり川荒廢の跡を調べ、中下方なかげはうに於ける淡路あはぢ團體の農村を見た。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
その上、染退しぶちやり川の奧には、大理石があるさうだし、松前侯が掘りかけた金鑛もあるさうだし。また鐵鑛があるのだらう、磁石がとまつたことがある。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
染退しぶちやり川が年々五十町も百町歩も渠等の沖積土質の田を缺壞して行く爲め、その度毎に村人の戸數が減じて行くことを説明された時は、自分の身がその沖積土の如く喰ひへらされて行く思ひがした。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)