某氏なにがし)” の例文
石州浜田六万四千石……船つきのみなとを抱えて、内福の聞こえのあった松平某氏なにがしが、仔細しさいあって、ここの片原五万四千石、——遠僻えんぺきの荒地に国がえとなった。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
マルブランシユの記録する所に依れば、某氏なにがしの妻、聖ピウスの祭の日にピウスの肖像を長き間凝視し居りしに、其女の生みし男子の容貌全く彼肖像に似たりし由に候。