東山義政ひがしやまよしまさ数奇すきと風雅をこらしたにわがあった。紫陽花あじさい色の夕闇に、灯に濡れたこけの露が光っていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
からもの肩衝かたつきで、これが東山義政ひがしやまよしまさの手に入ったとき、義政がよろこびの余り「くれなゐの初花染めの色深く思ひし心我れ忘れめや」の一歌をえいじたというのでこの銘がある。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)