李傕りかく)” の例文
また、第七軍を率いている楊奉は、叛賊李傕りかくの家来でしたが、李傕を離れて、曹操にも追われ、居る所なきまま袁術についているともがらです
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど一方、大きな違算に行き当って、進退に迷っていたのは、今は明らかに賊軍と呼ばれている李傕りかく郭汜かくしの陣営だった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてここの態を見るや否や、「主君を討たすな」と、一角から入りみだれて猛兵を突っこみ、李傕りかくを追って、ようやく、曹操を救けだした。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
李傕りかく郭汜かくしの二軍が、その後、大軍を整え、捲土重来けんどちょうらいして、洛陽へ攻め上って来るとの急報が伝えられて来たのである。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
李傕りかくは、元来が辺土のえびすそだちで最前のように、礼をわきまえず、言語も粗野なおとこですが、あの後で、心に悔いる色が見えないでもありませんでした。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
楊彪は、翌日、朝廷の大臣以下、諸官の群臣六十余名をいざなって、郭汜かくしの陣中におもむいた。そして一日もはやく李傕りかくと和睦してはどうかとすすめてみた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朕が位にいてから一日の平和もなく、逆臣のあとに逆臣が出て、董卓とうたくの大乱、李傕りかく郭汜かくしの変と打ちつづき、ようやく都をさだめたと思えば、またも曹操が専横せんおうに遭い、事ごとに
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分の父の黄琬こうえんは、むかし李傕りかく郭汜かくしが乱をなした時、禁門を守護して果てた忠臣です。その忠臣の子がいまは、心にもなく、僭上せんじょう奸賊かんぞくの権門に屈して、その禄をんでいるとは実になさけない。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)