本宮ほんぐう)” の例文
この川を一度渡れば、全ての悪業、煩悩ぼんのう、罪障が消えるといわれている。ここを渡れば熊野である。本宮ほんぐう証誠殿しょうじょうでんに参った維盛は、神殿の前にひざまずいた。
あれは本宮ほんぐう、これは新宮しんぐう、一の童子どうじ、二の童子とかりに所をめ、谷川の流れを那智の滝と思い、そこに飛滝権現ひりゅうごんげんを形ばかりにまつりたてまつったのでございます。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
一夜いちやけて、僕らは小口の宿を立って小雲取の峰越をし、熊野本宮ほんぐうに出ようというのである。そこでまた先達を新規に雇った。川を渡ったりしてそろそろのぼりになりかけると、こまかい雨が降って来た。
遍路 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
一夜いちや明けて、僕等は小口の宿を立つて小雲取の峰越をし、熊野本宮ほんぐうに出ようといふのである。そこでまた先達を新規に雇つた。川を渡つたりしてそろそろのぼりになりかけると、こまかい雨が降つて来た。
遍路 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「ここは本宮ほんぐうといたそう」