木槌こづち)” の例文
片手業にお燗番の卯八をかき退けると、かねて用意したらしい、木槌こづちを取って、船底のせんを横なぐりに叩くのです。
例えばこいだとか菊水などは前者で、打出うちで木槌こづち扇子せんすの如きは後者の場合であります。煙で充分にくすぶり、これをよくきこみますから、まるで漆塗うるしぬりのように輝きます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
手ぬぐい地の肌着はだぎから黒い胸毛を現わしてたくましい腕に木槌こづちをふるうている。
花物語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
片手業にお燗番かんばん八をかき退けると、かねて用意したらしい、木槌こづちを取つて、船底のせんを横なぐりに叩くのです。