期節きせつ)” の例文
なお身体の発育上、何歳より何歳ごろまでが智力のことさら伸張する時代であろう。そのころは臆病風おくびょうかぜの最も強く吹く期節きせつとなろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
たとえば期節きせつの十月と十一月との差こそはあれ、稲はかの殷周いんしゅう文化の中心地帯において、やや少量ながらはやくまた必ず栽培せられた穀物であった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それに、お鳥の様子——、赤い髪と、碧い眼が、天明年間の江戸の街には、あまりに目立って、頭巾をかぶ期節きせつでもなければ、うっかり外へも出られなかったのでした。
裸身の女仙 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
私は秋の期節きせつになると近頃よくこんな事を考えさされるのである。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)