朝月夜あさづくよ)” の例文
また「ゆ」は見渡すという行為にも関聯しているから、「見れば」にも続く。「わが寝たる衣の上ゆ朝月夜あさづくよさやかに見れば」、「海人あまの釣舟浪の上ゆ見ゆ」、「舟瀬ふなせゆ見ゆる淡路島」等の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
朝月夜あさづくよのかげ空に残りて、見し夢の余波なごりもまだうつつなきやうなるに、雨戸あけさしてうちながむれば、さと吹く風たけの露を払ひて、そゞろ寒けく身にしみ渡るをりしも、おちくるやうに雁がねの聞えたる
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
朝月夜あさづくよいまだも夜霧とどこほりひむがしの丘に日あし立ちたる
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
朝月夜あさづくよいまだも夜霧とどこほりひむがしの丘に日あし立ちたる
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)