有明行燈ありあけあんどん)” の例文
新字:有明行灯
そして、ぼうとなった彼女のひとみは、目の前の有明行燈ありあけあんどんに、こんな文字が書かれてあるのを、読む気力もなく見つめました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち春琴が兇漢きょうかんおそわれた夜佐助はいつものように春琴のねやの次の間にねむっていたが物音を聞いて眼を覚ますと有明行燈ありあけあんどんの灯が消えていくらな中にうめきごえがする佐助は驚いてび起きまず灯を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
枕元の有明行燈ありあけあんどんが消えなんとしていた。人はいなかった。次の間に誰やらの鼾声いびきが聞える。看護づかれの人々が、帯を解かずにごろ寝していた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)