昼食ひる)” の例文
旧字:晝食
昼食ひるには、四人で連立って旅舎を出た。森彦は弟達をある洋食屋の静かな二階へ案内した。そこで故郷の方に留守居する自分の家族のうわさをした。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
伴「旦那様、此の頃は貴方様あなたさまうなさいました、ろく/\御膳ごぜんあがりませんで、今日はお昼食ひるもあがりませんな」
昼食ひる前に舟の用意をして、すぐ前の渚にそれを繋いだ。そして昼食を済した時温泉場から婢が来た。それは青年の滞在している旅館うちの女中で、二つの褞袍どてらの大きい包を届けたのであった。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
広間へおりて行ってみると、本庁から来た連中は伊東署へひき揚げ、大池の細君と隆は川奈ホテルへ昼食に行き、丸山という年配の部長刑事が、昼食ひるをつかいながら事故係の報告を受けていた。
肌色の月 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「まあ、どうにかしようじゃないか。そんなら君はシモンヌの家で昼食ひるでもやりながら待っていてくれ給え。僕は直ぐに後から出掛けて行きますから」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「おう、そうだった……君の昼食ひるを忘れていたよ」
肌色の月 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「さあ、ことによるとお昼食ひるを仰せ付けられるかもしれない。」
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)