すばる)” の例文
隣の室で良人の弟とすばる発行所の和貝さんとが、死んだ児の柩に成るべく音を立てまいとして釘を打つて居る。
産褥の記 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
私はスウプをすすろうとしかけたとき、ふとあの紙片が「すばる」からの切り抜きであったことをおもした。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
そして峠の上には、すばるの小星群が螢籠を吊したように、脉を打ってきらめいている。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
すばるがそらでさう云つてゐる)
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
さをすばる
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
南天にシリウス清冷の痛光を放ち、オリオンさくを横たえて立ち、すばるさえ時ならぬ螢ときらめく。暁月に起床。鳥声しきりに起る。三山茜に染んだが、たちまち雲を引被ぎ、ただ小蓮華、乗鞍は分明。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)