日除笠ひよけがさ)” の例文
すると、日除笠ひよけがさで顔をしばった旅人は、ついと、彼のそばへ寄ってきて、文覚の肩をたたいた。文覚は、じろりと眼を向けて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
でも少しほつれたびんの毛をき上げるため、日除笠ひよけがさいたのを見ると、これなん、菖蒲あやめの寮の光子てるこの御方。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いうまでもなく、いつも日除笠ひよけがさ眉深まぶかに、質素で野人そのままな身ごしらえであった。供はせいぜい四、五名。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四人が姿を隠したと知らずに、そこへ駆け下りてきた男、日除笠ひよけがさをおさえて、大股にゆくところを、いきなり跳びついたお十夜が、どこをすくったか、気味よく投げた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)