新思潮しんしてう)” の例文
僕等「新思潮しんしてう社」同人どうじんの列したるは大正天皇の行幸し給へる最後の卒業式なりしなるべし。僕等は久米正雄くめまさをと共に夏の制服を持たざりし為、はだかの上に冬の制服を着、恐る恐る大勢おほぜいの中にまじり居たり。
その頃の赤門生活 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
僕等は当時「新思潮しんしてう」といふ同人雑誌どうじんざつしたてこもつてゐた。「新思潮」以外の雑誌にも時時作品を発表するのは久米正雄くめまさを一人ひとりぎりだつた。そこへ「希望」といふ雑誌社から、突然僕へ宛てた手紙が来た。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)