新屋しんや)” の例文
そして鎮守の下の野良道へ出ると、高一は、すぐ横の畑で里芋を掘つてゐる赤いタスキをかけた、新屋しんやの小母さんを見つけました。そして、かう云ひました。
栗ひろひ週間 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
「ちぇッ、お母あだって、産まねえお母あもあるよ、あの新屋しんやをごらん……」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
馬籠の本陣は二棟ふたむねに分かれて、母屋もや新屋しんやより成り立つ。新屋は表門の並びに続いて、すぐ街道とむかい合った位置にある。別に入り口のついた会所(宿役人詰め所)と問屋場の建物がそこにある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
五八 小烏瀬川こがらせがは姥子淵をばこふちの辺に、新屋しんやうちといふ家あり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
五八 小烏瀬川こがらせがわ姥子淵おばこふちの辺に、新屋しんやうちといういえあり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
郁太郎とお前と新屋しんやを一つ建ててみる気はないかね
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)