斜向はすか)” の例文
私とは少し斜向はすかひになつて居るので、眼を開けると水々しい結ひ立ての銀杏返いてふがへしに赤い手柄をかけたのが二つ相寄つて枕の上に並んだのが灯のなかに見えて居る。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
「じゃあひとつ、肉屋を開いてみたらどんなものだろ。——屋敷の裏口は袋小路、そのとッつきに一軒、手ごろな家があいている。わしの隠居所とも斜向はすかいだしさ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と二三人おいた斜向はすかいの若い男を顧みた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
大路たいろをへだてて、弟の文炳ぶんぺいの邸宅とは、すぐの斜向はすかいです」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)