斗満とまむ)” の例文
朝飯後、天幕の諸君に別れて帰路にく。成程なるほどニオトマムは山静に水清く、関翁が斗満とまむを去って此処に住みたく思うて居らるゝも尤である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
十勝国とかちのくに中川郡なかがわぐん本別村ぽんべつむらあざ斗満とまむ
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
此日放牧場の西端に立って遙に斗満とまむ上流の山谷さんこくを望んだ時、余は翁が心絃しんげんふるえをせつないほど吾むねに感じた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
日はもうとっぷり暮れて、斗満とまむの川音が高くなった。幕外そとは耳もきれそうな霜夜しもよだが、帳内ちょうないは火があるので汗ばむ程の温気おんき。天幕の諸君はなおも馳走に薩摩さつま琵琶びわを持出した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)