斉広なりひろ)” の例文
斉広なりひろの持っている、金無垢きんむく煙管きせるに、眼をおどろかした連中の中で、最もそれを話題にする事を好んだのは所謂いわゆる、お坊主ぼうずの階級である。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
加州かしゅう石川ごおり金沢城の城主、前田斉広なりひろは、参覲中さんきんちゅう、江戸城の本丸ほんまる登城とじょうする毎に、必ず愛用の煙管きせるを持って行った。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
斉広なりひろは、爾来じらい登城する毎に、銀の煙管きせるを持って行った。やはり、剣梅鉢けんうめばちの紋ぢらしの、精巧を極めた煙管である。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)