敷居越しきいごし)” の例文
とこなたは敷居越しきいごしに腰をかけて、此処ここからも空に連なる、海の色より、よりこまやかかすみを吸った。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三人が同じ食卓で朝飯あさめしを済ますやいなや、母が昨日涼しいうちにと頼んでおいた髪結かみいが来た。あらたての白い胸掛をかけて、敷居越しきいごしに手を突いた彼女は、御帰りなさいましと親しい挨拶あいさつをした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)