支柱しちゅう)” の例文
兄とも父とも信頼している幼年組は、だいじな支柱しちゅうを失ってしまって、なにをたよりとしていいかわからなくなる。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
そして気絶した人が倒れている梁が支柱しちゅうに組み込まれているかどに手がとどくと、ぐいと一度体を丸めてやんわりと梁の上に乗り移った。梁はかすかにふるえていた。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
そこで何だか今まで頭をぶっつけたひく天井裏てんじょううらくなったような気もするけれどもまた支柱しちゅうをみんなってしまったさくらの木のような気もする。今日の実習じっしゅうにはそれをやった。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
飛行場は高架式で、源一の図面によれば百四十四本の支柱しちゅうでささえられていた。
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
壁のやわらかいところには、木材の支柱しちゅうをほどこして崩壊ほうかいをふせぎ、年長者はつるはしをふるい、年少者は岩くずや石きれを運んでは、洞の外にすてた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
堅板たていた、横板、平板、支柱しちゅう帆類ほるいすべての材料は、サクラ号からとっておいたものだけで十分であった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)