もちや)” の例文
此は、横佩家へも出入し、大伴家へも初中終来る古刀自ふるとじの人のわるい内証話であつた。其を聞いて後、家持自身も、何だか好奇心に似たものが、どうかすると頭をもちやげて来てゐる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
赤毛布が消える。小僧が消える。主人と茶と煙草盆が消えて、破屋あばらやまでも消えた時、こくりとねむりめた。気がつくと頭が胸の上へ落ちている。はっと思って、もちやげるとはなはだ重い。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くびもちやげてんのちや本當ほんたうでねえ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)