摘録てきろく)” の例文
で、読み行くうちに、どの読書家もするように、要所要所へ線を引いておいて、それを座右に積み重ね、今やその要所を改めて摘録てきろくし、翻訳してノートにとどめている。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
僕の青磁せいじ硯屏けんびやう団子坂だんござか骨董屋こつとうやで買つたものである。もつとも進んで買つたわけではない。僕はいつかこの硯屏のことを「野人生計事やじんせいけいのこと」といふ随筆の中に書いて置いた。それをちよつと摘録てきろくすれば——
身のまはり (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
当時、漁史の見聞せし一二事を摘録てきろくして、後日の記念とせんか。
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)