がら)” の例文
一人の武士が四筋の鎖で、がんじがらみにからめられていた。畳の上に転がっていた。それを五人の異形の男女が、真ん中にして囲繞とりまいていた。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
向う傾けに草へ倒して、ぐるぐる巻というよりは、がんじがらみに、ひしと荒縄の汚いのを、無残にも。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「莫迦め、そんなことは出来るものか、がんじがらみにされたんだからなあ。おめおめ生け捕りにされた身で、名前や素姓が明されるものか」
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
火柱の主は二条の捕り縄で、ガンジがらみにされたのである。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)