掩蓋えんがい)” の例文
戦時中、防空壕の掩蓋えんがいになっていた吉良きらの雑倉の小屋根に風穴があくと、係長と刑事が後先になって地下室へ入って行った。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その掩蓋えんがいから、一人の将校が、首から上を出して、人造人間部隊を指揮しているらしいのが見えたが、多分それがハンスなのであろうと思った。
人造人間の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
秘密砲塔を隠している仮装掩蓋えんがいは、しばしば電気の力をかりて、取外されたり、また取付けられた。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
掩蓋えんがい兼防水扉は、直ちに、閉った。そして深度計の指針は、もう右へ傾き出した。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
黄いろい幽霊は、おかしさにたえられないという風に、大笑いをしたが、軍曹が、うしろをふりかえってみると、機銃のお尻のところが、掩蓋えんがい固定の締め金具の間に、うまくはさまれていたのである。
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)