指屈算ゆびをりかぞ)” の例文
あづかりしと云ふ一札迄さつまでわたき其儘別れて歸りける心の内に長庵は仕濟しすましたりと大いに悦び彼五十兩の其金はおのれが榮耀ええう酒肴ざけさかな遊女狂いうぢよぐるひにつかひける然るに伊勢屋千太郎はかゝる事とは夢にも知らず心の中に今日は小夜衣が麹町へ來たかあすは來るかと指屈算ゆびをりかぞへ日のくるるのを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)