押掛おしかけ)” の例文
去年の冬の初めに饂飩屋から暇を取るとそのまま、貯金の通帳と一緒に、福太郎の自炊している小頭こがしら用の納屋に転がり込んで、無理からの押掛おしかけ女房になってしまったのであった。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
押掛おしかけのお座敷に往っても御祝儀は下さいませんから誠に困りますよ、お歳暮せいぼの時なんぞは御祝儀処か、おやお出でかえ誠に取込んで居るからと云うんで、無しさ、幇間たいこもちなんどは暮はいけませんなア
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
させ置て不意ふいに幸手へ押掛おしかけ三五郎を討取うちとる工夫くふう幾等いくらも有うと言ふに掃部も成程敵は知て居上ならばマア急事せくこともねへが彼が兄弟分の重四郎と云ふやつは少し手強てごはひ奴なり然し侠氣たてひきも有奴だから親分の敵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)