択捉えとろふ)” の例文
同十年に到り、彼を送還し、かつ先年来樺太からふと択捉えとろふみだせしは、露国政府の意にあらざるを告げ、かつ八人の俘虜を還さんことを請う。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そして海霧ガスれた夕方など、択捉えとろふ島の沖あたりで、夥しい海豚いるかの群にまれながら浮流うきながされて行く仔鯨の屍体を、うっかり発見みつけたりする千島帰りの漁船があった。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
しこうして我邦においても、近藤守重は(寛政十年)、択捉えとろふ島に渡り、大日本国領の標柱を建て、間宮林蔵は(文化五年)、樺太を探験し、独身満州に入り、黒竜江畔の形勢をあんじて帰り
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)