手写しゅしゃ)” の例文
手写しゅしゃの法華経一巻を、都の妻へとどけてくれとの頼みには、いつか果たしてやれる自信もあった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高氏はかねて亡き俊基から死の前夜に「……いつの日か妻に手渡して給われ」と頼まれていた彼が幽居で手写しゅしゃした法華経一部と、和歌の詠草えいそう一帖とを、忘れずに持って西上したのであった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)