戯画ざれえ)” の例文
旧字:戲畫
大体、そんなような戯画ざれえ楽書らくがきで、ほとんど巻の大半がうずめられていたが、そのうちで兵馬が異様に感じたのは、ただ一つの女文字が所々にはさまれて、それは多くは歌がしたためられている。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
戯画ざれえに描く公卿面にそのままで、いっこうに威儀がなく、気魄薄げな人体であった。冠もつけず、円座のうえに足を組んで坐ると、五音ごいんをはずしたうつろな声で、いきなりこんなことをいった。
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)