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憑着
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ひょうちゃく
ふりがな文庫
“
憑着
(
ひょうちゃく
)” の例文
そのように、滝人には一つの狂的な
憑着
(
ひょうちゃく
)
があって、その一事は、すでに五年越しの疑惑になっていた。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
だいたい、
憑着
(
ひょうちゃく
)
性の強い人物というものは、一つの懐疑に捉えられてしまうと、ほとんど無意識に近い放心状態になって、その間に異様な偶発的動作が現われるものだ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「いや、あの
廻転琴
(
オルゴール
)
時計を見るのさ。実は、妙な
憑着
(
ひょうちゃく
)
が一つあってね。それが、僕を
狂気
(
きちがい
)
みたいにしているのだよ」とキッパリ云い切って、他の二人を
面喰
(
めんくら
)
わせてしまった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
がその時はそう云いながらも、何かそれ以外に、一つの
憑着
(
ひょうちゃく
)
が頭の中にあるとみえて、いくつかの鳥や獣の、名前を口にするごとに、首を振っては、何ものかを模索している様子だった。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
で、
先刻
(
さっき
)
この本を見たとき、ふと思いあたったことだが、君はシャバネーが
運命の先行者
(
ペロール・ゴアー・オヴ・デスティニー
)
と云った、
憑着
(
ひょうちゃく
)
心理を知っているかね。かりに、自分の境遇が、小説か戯曲中の人物に似ているとする場合だ。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
その妖怪めいた醜さ——とうていそのような頭蓋骨の下には、平静とか調和とか云うものが、存し得よう道理はないのである。たしか、レヴェズの心中には、何か一つの狂的な
憑着
(
ひょうちゃく
)
があるに相違ない。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
憑
漢検1級
部首:⼼
16画
着
常用漢字
小3
部首:⽬
12画
“憑”で始まる語句
憑
憑物
憑依
憑付
憑拠
憑司
憑入
憑移
憑神
憑座