憑付ひょうふ)” の例文
また、その霊魂の状態を論ずるや、物質を離れて独立せるものとなし、生時にありても、人の心が他人に憑付ひょうふしうると考うるものあり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
もし、この試験によりて精神にごうも異常なきことを承認するを得ば、狐狸こりもしくは蛇の類の憑付ひょうふにあらざることを知るを得ん。
第三種(憑付ひょうふ編)狐憑きつねつき、人狐にんこ式神しきがみ狐遣きつねづかい、飯綱いづな、オサキ、犬神、狸憑たぬきつき、蛇持ち、人憑ひとつき、神憑かみがかり、魔憑まつき、天狗憑てんぐつ
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
これを狐狸またはほかの動物の人体に憑付ひょうふして起こすものと考え、ある地方にてはその原因を狐に帰し、ほかの地方にては狸もしくはむじなもしくは猫、蛇等に帰するのである。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
これらの説、互いに多少の相違あれども、帰するところは、その女子になにものかが憑付ひょうふして、この怪事をなさしむるものというにほかならず。されば、その戸主杉本氏もやはり、しか信ぜしなり。
されば、この怪事の研究につきて帰するところの問題は、ただその女子が狐狸こりの類の憑付ひょうふによりて、かくのごときことをなすものなりや、あるいは故意にこれをなすものなりやという点にほかならず。
あるいは曰く、「鬼神の人に憑付ひょうふする、これ妖怪なり」と。
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)