慈眼じがん)” の例文
慈眼じがんを垂れた菩薩の顔は、少し離して眺めると、三十二相ことごとく具備して、めでたくも気高き限りです、肩から胸へ流れる線の清らかさ。
仏像の眼を思わせるようなその慈眼じがんと、清潔であたたかい血の色を浮かしたその豊頬ほうきょうとに、まず心をひきつけられ、さらに、透徹とうてつした理知と燃えるような情熱とによって語られるその言々句々げんげんくく
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
慈眼じがんめぐらし数珠じゆずりて
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
頬冠りを取り、褞袍をぐと、中から現われたのは、のみの香も尊く、慈眼じがんを垂れた大師の尊像ではありませんか。