慄然ぞっと)” の例文
就中なかんずく、丈、約七寸ばかりの美しい女の、袖には桜の枝をのせて、ちょっとうつむいた、慄然ぞっとするような、京人形。……髪は
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まむしの首を焼火箸やけひばしで突いたほどのたたりはあるだろう、とおなかじゃあ慄然ぞっといたしまして、じじいはどうしたと聞きましたら
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は気が付くと、その、——後で妹の話を聞いて慄然ぞっとして飛んで出たが、猫行火ねこあんか噛着かじりついていて、豆煎まめいりを頬張ったが、余り腹が空いて口が乾いて咽喉のどへ通らないから、番茶をかけて掻込かっこんだって。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小村さんも私も慄然ぞっとした。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)