惨怛さんたん)” の例文
しかし、今疾痛しっつう惨怛さんたんきわめた彼の心の中にってなお修史の仕事を思い絶たしめないものは、その父の言葉ばかりではなかった。それは何よりも、その仕事そのものであった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
この惨怛さんたんたる光景は浅次郎の身に取りて、喜ぶべきことにはあらずと思いき。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)