息遣いきづかい)” の例文
車に乗るときどんよりした不愉快な空を仰いで、風の吹く中へ車夫をけさした。路は歯の廻らないほど泥濘ぬかっているので、車夫のはあはあいう息遣いきづかいが、風にさらわれて行く途中で、折々余の耳をかすめた。
三山居士 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)