思惟しゐ)” の例文
以上の考へにして誤り無くんば、常陸地方に棲息せいそくせし石器時代人民も北海道に於ける者と等しく竪穴を以て住居とせし者と思惟しゐすべきなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
当時希臘ギリシヤに於ては悲哀戯曲トラゲヂーのみを貴重し、トラゲヂーと言へばあらゆる戯曲の別名の如くなりをりて、悲哀戯曲外に戯曲なしと思惟しゐするの傾向ありたり。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
吾人は今の写実小説を以て国民性を描かざるものと思惟しゐする能はず、(かく言ふは無意義なり)随うて此の理由によりて今の写実小説を排する所以を解する能はざる也。
国民性と文学 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
ポアンカレは単に有用なるものは真理であるとか、思惟しゐの経済といふやうなことで満足し得るプラグマチストたるにはあまりに鋭き頭を持つてゐた。氏は何物も自己の主観的独断を加へない。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
暗鬱な思惟しゐにしづみながら
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
酋長抔の位階のしるしとして用ゐられしなるべしと思惟しゐするのみ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
暗鬱な思惟しゐにしづみながら
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)