手足被杻械しゅそくぴちゅうかい念彼観音力ねんぴかんのんりき釈然得解脱しゃくねんとくげだつ、と牢のなかでも観音経かんのんぎょうんで居たが今ヒョロ/\と縄に掛って仮牢から引出ひきだされるを見ますると
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
僕はかの観音経を読誦どくじゅするに、「彼の観音力を念ずれば」という訓読法を用いないで、「念彼観音力ねんぴかんのんりき」という音読法を用いる。
念彼観音力ねんぴかんのんりき刀刃断々壊とうじんだんだんね——などという声は乱軍中にはまま聞えるものであるし、わが先祖のうちで心に銘じている名を呪文じゅもんのように連呼する若武者もあり、そうかと思うと
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「推落大火坑、念彼観音力ねんぴかんのんりき、火坑変成池へんじょうち……」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
禿げた頭の月代さかやき斑白まだらになりまして胡麻塩交りの髭が蓬々ぼう/\生え頬骨が高く尖り小鼻は落ちて目も落凹おちくぼみ下を向いて心のうち或遭王難苦わくそうおうなんく臨刑慾寿終りんけいよくじゅしゅう念彼観音力ねんぴかんのんりき刀尋段々壊とうじんだん/\え或囚禁枷鎖わくしゅうきんかさ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
念彼観音力ねんぴかんのんりき
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
念彼観音力ねんぴかんのんりき
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)