快走艇ヨット)” の例文
ところが夫人おくさん、貴女はそれによって艇長が属していた快走艇ヨット倶楽部くらぶ——王立カリンティアン倶楽部の三角旗を指摘したのでしたね。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
英吉利イギリス海軍の快走艇ヨットだ。が、幼い歌人の幻滅にまで、帆の色は赤ではなかった。陽にせて白っぽくなったカアキイいろだった。
快走艇ヨットへでも乗ってみようかと、晴々しい気持で考えていたのであったが、もちろんその日私が妻と快走艇に乗ったかどうかはもう覚えてもいない。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
海は青鮫の砂ずりのいろに拡がり、空にちかい波と波のすき間から、聖らかな船唄が流れてくる。その下を沈んでゆく、ココアいろの快走艇ヨット水脈みををひいて消えてゆく、金字塔に似た戒克。
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
ああそれは、王立ロイヤルカリンティアン快走艇ヨット倶楽部くらぶ員としての、面目だったのでしょうか。いいえいいえ、私はけっしてそうとは信じません。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「ホテルを作ったら、ここに白鳥を放して、快走艇ヨットや遊覧ボートをうかべて、日本へ来る外人客をみんな呼ぶんだって、パパは楽しみにし切ってましたのよ……」
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
まあ貴方は、ふねを三しょう快走艇ヨットにお仕立てになって……、しかもそれには、『鷹の城ハビヒツブルク』という古風な名前をおつけになったではございませんか。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
深い交際はなかったが、私が会長をしている快走艇ヨット倶楽部の会員であるという関係から、私はここに事務所を構えているマルセ・モネスという秘密探偵を知っていた。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
たとえ余の主宰せるバルセローナ快走艇ヨット倶楽部に余の有する快走艇ヨット二隻の末に至るまで
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
そのおり快走艇ヨットに乗じて日本に廻航した、著名な生理学者ベルナルド・デ・クイロス教授に打ち明けて、帰途その孤島に、立ち寄られんことを懇願したのであったが、どうしたことか
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)