忍恋しのぶこい)” の例文
花のごとく、玉のごときかんばせに対して、初恋、忍恋しのぶこい互思恋たがいにおもうこいなどという、安からぬ席題を課すような場合に、どんな手爾遠波てにをはの間違が出来ぬとも限らぬ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今日の邂逅は、『忍恋しのぶこい』の部に入る歌枕だから、千々子さまが羽田へ迎いに行くような派手なことは避け、シュラー氏がどこかの寄り道のようにして、さりげなく訪ねるのを待つことになった。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)