“手爾遠波”の読み方と例文
読み方割合
てにをは100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
花のごとく、玉のごときかんばせに対して、初恋、忍恋しのぶこい互思恋たがいにおもうこいなどという、安からぬ席題を課すような場合に、どんな手爾遠波てにをはの間違が出来ぬとも限らぬ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
素襖すあをかきのへたながら、大刀たちの切字や手爾遠波てにをはを、正して点をかけ烏帽子ゑぼし、悪くそしらば片つはし、棒を背負しよつた挙句の果、此世の名残執筆の荒事、筆のそつ首引つこ抜き、すゞりの海へはふり込むと
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
信仰のない私には、どうも聞き慣れぬ漢語や、新しい詩人の用いるような新しい手爾遠波てにをは耳障みみざわりになってならない。それに私を苦めることが、秋水のかたり物に劣らぬのは、婆あさんの三味線である。
余興 (新字新仮名) / 森鴎外(著)